6月16日ほろんCafe、無事に開催することができました。今回は「こどもの困り感を知ろう~自己肯定感を育む関わり方~」というテーマで一般社団法人あそびての石井さんに、こどもの自己効力感の高め方、権利擁護や意思決定支援等についてとても分かりやすくお話して頂きました。
冒頭「僕、自己肯定感という言葉はきらいなんです(笑)」からはじまり、自己肯定感というよりも「自己効力感」のお話が中心でした。「自己効力感」とは、何かを成し遂げられる自信があるという感覚で結果予期(こうなりたい)と効力予期(そのために今何をすることが必要か)があります。その自己効力感を高めていくためには、こどもと関わる大前提として、①子どもたちを否定しない、②子どもたちの権利を守る、③子どもたちの主体性、自律性を守る、④子どもが自分の人生の主人公であり続けることを妨げない、という大事な4つのお話がありました。
こどもの権利の中には、「愚行権」という愚かな行動をする権利も大事な権利であること、基本的には人の行動を減らす・なくすことは権利侵害であり、行動の抑制をするには、生活の質が向上することが大前提ですいうお話も納得感がありました。
石井さんの放課後等デイサービスでは、責めない、叱らない、怒らないという対応を徹底されており、さらにはこどもの意向に沿って送迎時間を調整するなどこどもの主体性を最大限尊重されています。「こども主導の活動に大人も巻き込まれている状態が子供の主体性が一番守られている」そうです。また、ベビーシッターをされていた時の実践として、絵本の読み聞かせをする際に絵本の名前だけでなく、出版社の名前や作者の名前も伝えることを積み重ねていくと、徐々に言葉が使えるようになったこどもが「今日は〇〇の本がいい」と選べるようになったという意思形成支援のお話も印象的でした。
後半は「①こどもとの関わりで困っていること、②明日からできそうなこと」というテーマで対話の時間。子どもについてだけでなく、「親と子の関係性」についても話が盛り上がっていました。
(アンケートでの感想)
・子どもの愚行権というものを初めて知り、なんでも心配して先に子どもから危ないことを遠ざけていた自分を振り返り、それは娘の権利を奪っていたことを反省しました。
・私は保育士ですが、日頃の関わりを言語化し分析して下さったことで、より意図的に必要なことを考えることが出来ました。技法以前の話は、他者を尊重する大前提だと改めて感じました。
・子どもに対応する姿勢が徹底されているところに深く尊敬の念をいだきました。
・自分自身の自己効力感を高める事が大事だなと思い、出来る事からやりたいと思いました。
・心にささるワードがいくつもありました。特に愚行権という言葉には自分もだいぶ救われました。きちんとすることだけが、正解ではないなと思いました。
・お話がとても上手で、凄まじく大切なことをものすごく楽しくお話して頂きました。
・ 自己肯定感について、子どもだけでなく誰にでも当てはまり、当てはめて考えていくとシンプルで
日々の支援や関わり、生活のなかでも活かしていけそうです。
・自己効力感を高めていくことは、支援の軸の一つであり、自立して生きていくために必要な認知の働きとして大切なものと改めて考える機会となりました。
・具体的な困りごとや悩みを出せる場となるため心の内にあることを安心して話せる場でした。
・他者の話を聞くということが自分の考えを整理することにもつながるので、時間がたっぷりあって良かったです。
・色々な人と話すことで、多様な考えがあることに気づかせてもらえる時間だと思います。
・実際に悩んでいる人の事をみんなで考える事は自分の考えを整理でき、有意義でした。
・古民家的な要素が心落ち着くのでかなり居心地がいいなと思いました。
・コーヒーやパンもご準備いただきありがとうございます。公式LINEで資料配布があったのでよかったです。
こどもとの日々の関わり方に正解はありませんが、自己効力感は日々育てていけること。
小さなステップでも明日からできること、周りの大人が意識できることについていっぱいヒントを頂けたのではないでしょうか。
今回は、少しでもリラックスして過ごしてもらいたく、初の試みとして出張コーヒー(ギルクラウンさん)やパン屋さん(リエパンさん)に来ていただき、今までと少し違う雰囲気だったように思います。
ご参加して頂いた皆さま、講師の石井さん、運営ボランティアさんありがとうございました。
アーカイブ動画はただいま準備中ですので少しお待ちください。
次回は8月18日(日)13時~開催します。
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