ほろんcafeのご紹介
街の相談室ほろんは、「障がい児者・保護者のための学びと対話の場」
として定期的にほろんCafeを開催しています。
始めるに至った経緯をまとめたページです。
ほろんcafeをはじめた理由
(障がい福祉20年の中で感じた地域課題)
長年、障がい児者の相談支援事業に携わる中で、障がいのあるこどもを育てる保護者さんからこんな声をよく聞いていました。
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「療育先、病院、相談員自分で探すのが本当に大変だった…」
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「障がいの診断を受け子どもの将来がどうなるのか先が見えなかった」
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「放課後デイサービスは働いていないと利用できないと思っていた。なかなか一歩を踏み出せなかった」
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「将来は施設に入ることしか選択肢がないと思っていたもっと早く情報を知りたかった」
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「本当はわが子を託したいけど…ずっと託せなかった」
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「行き場所がなくてこどもにとっての「地域」をつくってあげられなかった」等。
数年前に比べたら制度は整ってきましたが、
「ツールが少なく情報が届きにくい」
「制度が分かりづらい(縦割り・窓口の違い)」
「スティグマ(偏見・差別)があり、福祉は特別なものという認識がある」
「社会資源が不足している」
などの地域課題があり、結果的に
「相談するまでに時間がかかる」
「必要な支援につながらない」
「制度の狭間の壁が生まれる」
「問題が起きてからつながる」
「親なき後の不安が強くなる」
という状況が生まれ、誰に相談したらいいのか分からず社会的孤立に陥ってしまいます。
障がい児者や保護者を対象とした福岡市障がい児者等実態調査(令和元年度)では、「障がいのことや福祉制度について情報が少なかった」という方が55.6%、地域で生活するために必要なこととして「障がいの理解があること」と回答した方が46.9%、「人々の障がいの理解を深める機会が少ない」と回答した方は41.3%というデータがでています。
これらの地域課題を解決するための手段のひとつとして、
地域の中に身近に相談でき、情報を得られる場
が必要だと感じ、困り感のある方が気軽に参加できる場所として「ほろんcafe」を始めました。
ほろんcafeってどんな場所?
ライフステージにおけるテーマに沿って共に学び、対話の時間を通して今感じていることを話せる場にしています。
「一緒に学ぶ」「情報を得る」「気持ちを話す」
「誰かと繋がる」「気づきがある」「ほっとする」
という6つの目的があり、「親なきあとの不安」を少しでも減らし、心がほっとする安心安全の場になるよう心がけています。
美味しい珈琲とパンやお菓子を準備することで、参加しやすい雰囲気をつくり、少しでもリラックスして過ごしてもらえたら嬉しいです。託児ボランティアさんにも来てもらい、子連れ参加もできるようにしています。
参加者の声(一部)
・人見知りで緊張したけどしゃべり場な雰囲気がとても楽しかった。
・色々な人と話すことで多様な考えがあることに気づかせてもらえた。
・頑張りすぎず、助けてと言える環境があることが改めて大事だと感じた。
・具体的な困りごとや悩みを安心して話すことができた。
・優しくて柔らかくて穏やかなコミュニティだと思った。
・卒業後の全般的な情報を知ることができた。
・障がいをもった子のことを真剣に考えてくださる方がこんなにもたくさんいることに感動した。
・我が子の将来も思っていたより明るいのではないかと感じた。